大判例

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福岡高等裁判所 昭和29年(う)159号 判決

外国へ搬出する目的をもつて本邦港湾附近の海上において外国仕向けの船舶に積み替えるため貨物を機帆船に積み込んだ上これを同海上まで運搬するときは、輸出の実行々為に接着する行為の逐行に入つたものであり既に予備の段階を超え輸出の実行に着手したものと解するのが相当である。原判決が証拠によつて適法に確定するところによれば、被告人らは判示の者らと共謀の上、政府の免許を受けないで貨物を朝鮮に密輸出しようと企て、昭和二八年五月一〇日午後一二時頃門司市田の浦海上附近において朝鮮仕向けの船舶朝洋号に貨物を積み替える目的をもつて、被告人福島所有の機帆船大福丸に判示貨物を積載した上、同月九日午後七時頃宇品港を出港、翌一〇日午前一一時頃宇部港に寄港、同日午後五時頃同港出港、同日午後九時三十分頃門司市田の浦港に入港し朝洋号の入港を待合わせていた際、たまたま門司市警察署員に検挙されてその目的を逐げなかつたというのであり、被告人らの右所為が既に予備の段階を超え、密輸出の実行々為に着手してその目的を遂げなかつた場合にあたるものと解すべきことは、右に説示するとおりであつて、原判決が、これを密輸出未遂の罪に問擬したのはまことに相当であるというべく、これを予備をもつて論ずべしとする論旨には賛同し難い。(後略)

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